「バイクに乗るために何が必要なの?」「ウェアやシューズはどんなものを買えばいい?」2016年に中型免許を取って上記のような疑問を当然抱きながら、今まで色々なものを買ってきましたが、一番参考になったのは個人のブログや現役ライダーのレビューといった「生の声」でした。
なので、これからバイクに乗ろうとしてる人、新しいバイクギアを買おうとしてる人の参考になるかなと思って、現時点でのいちライダーの考えを書いてみようと思いました。
コンセプトは「転倒しても無傷または軽症で済む装備」です。Tシャツ短パンでバイクに乗るようなタイプの人には参考にならないかも。
【必要性★★★★★(絶対必要)】
ヘルメット
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安全性と高速走行時の静音性を考えてフルフェイス、メーカーはアライかショウエイの2択で良いと思います。他にも安いメーカーはあるものの、バイクに乗るときには絶対に被るものなので、一番お金をかけるべきところかと。
実際、長時間被っていると頭が痛くなってきたりしていたのが、高いものに買い換えるとそれが一切無くなったので、もう「とりあえず高いやつ」という選び方でも良いくらい。試着しても「何時間もバイクに揺られながら被る」ことまでは試せませんので……
どちらのメーカーも、「1.サーキット走行も視野に入れた一番高いやつ」がありますがそこまでは不要かなと思って、「2.公道を想定した、二番めに高いやつ」(GT-AirⅡ)を使っています。AraiだとASTRAL-Xですかね。サンシェード付きはかなりオススメです。眩しい日差しは想像以上に体力を消耗させるので。
買うときは店舗で、自分の頭に合わせてサイズ調整をしてもらいましょう。ネット通販の方が安くても、これはプロに任せたほうが良い。
エンジンガード
【必要性★★★★★(よほどの理由が無い限り付けたほうが良い)】
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車種にもよりますが、バイク本体を購入する時、「純正のエンジンガードがオプションで付けられますよ」と言われたなら、特に初心者の方は絶対に付けたほうが良いです。
乗り始めて1年目、確実に10回以上は立ちゴケさせてました。ちょっとした気の緩みで立ちゴケさせてしまってエンジンが故障したら修理代は一体いくらになるか……これが「ちょっとエンジンガードに傷ついちゃったな」くらいで済むのだから、工賃と合わせて何万円かかかろうが、カウルに穴が開こうが見た目が少し気に入らなかろうが、取り付けることを激しく推奨します。
立ちゴケの心配が無くなった初心者以外の方にも勧めたいです。数年前の記録的な台風で、普通に外の駐輪場に置いてたバイクが横転したので……風を防げる屋内のガレージに置いてる人でもなければ、お守りとして付けておくに越したことはないかと。
任意保険・ロードサービス
また、任意保険に付帯しているロードサービスの方が出番が多いかもしれません。4年間で2回、立ちゴケでの故障と単独での転倒でお世話になりました。出先で、バイクや自分が動けなくなった時にバイクを回収して移動させてくれたり、電車賃や治療費を負担してくれたり……と大変助かりました。
保険の内容や料金は大手保険会社であればどこもあまり差が無いので、ロードサービスの内容で選んでも良いかもしれません。
(例えば「レッカー移動100kmまで無料」なんて内容だと、自宅から100km以上離れたところでバイクが壊れた場合、超過した距離の移動代金が高額になるので「レッカー移動無制限」を選ぶ、など)
【必要性★★★★(安全・快適のためにバイク専用が必要)】
ライディングジャケット・パンツ
【必要性★★★★(安全・快適のためにバイク専用が必要)】
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プロテクターが付いている(付けられる)のはもちろん、バタつき防止・ファスナー付きポケット……など、ライダーに便利な機能が詰め込まれているので、バイク専用のものを夏・冬の2セット揃えることを強く推奨します。
夏は画像のようなメッシュジャケットと、夏用のジーンズがオススメです。特にパンツ、いかにも「バイクのウェアです」といった見た目のものは、バイクを降りて街を歩くと浮いてしまうので、結局履く機会があまりなかったです。ツーリング用と割り切れるならそれも良いですが、街乗りの機会がそれなりにありそうであれば、普段着のような見た目のジーンズが便利です。
ジャケットはバイクを降りたときに脱げばいいのでそこまで気にする必要はないかもしれません。軽くて風通しが良い、プロテクターの付いているものがオススメ。urbanismのジャケットは見た目もスタイリッシュで気に入っています。安く済ませたければ、2りんかんでは自社ブランドMOTERHEAD RIDERSのメッシュジャケットを販売しており、同程度のものが1万円台で買えます。(完全に私見ですが、2りんかんは割とかっこいいウェアが多く置いてあると思います。南海部品はジーンズが充実しているイメージ。)
冬も夏と同じく、下はジーンズがオススメ。バイク用の冬ジーンズは風を通さず暖かく、それでいて蒸れなく伸縮性も高く……バイクに乗らない時にも履いているくらい、機能性が高いです。
ジャケットは「防風」の素材(外側)と「保温」の素材(内側)が取り外しできるようになっていると、温度調節がしやすく春や秋にも使いやすいです。
バイク用シューズ(夏/冬)
【必要性★★★★(安全・快適のためにバイク専用が必要)】
安全性はもちろん、普通の靴だと左足の甲の部分がシフトチェンジですぐにボロボロになってしまうので、靴もやはりバイク用がオススメです。ウェア同様、ハイカットのレース用みたいなブーツは街を歩きにくくてあまり履くことはありませんでした。画像のようなスニーカータイプくらいがちょうどよいですね、それでも普通の靴よりはかなり丈夫に作られているので。
冬用のシューズは防水機能がついていると、レインブーツとして通年使用できるのでおすすめです。
グローブ(夏/冬)
【必要性★★★★(安全・快適のためにバイク専用が必要)】
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言うまでもなく冬は絶対必要です。バイクに乗っているとき、最も前方に位置し最も風を受ける部位でありとにかく冷えやすいため、秋頃から春先まで冬用のグローブが活躍するでしょう。
また、転んだときに一番にアスファルトに付くのが手。それだけでなくクラッチレバーに指を挟んでしまうなど、バイクに限りませんが「最も使用する」部位なだけに怪我のリスクも至るところにあるのが手、だと思います。手を怪我して被る不利益を考えると、夏も着けておくに越したことはありません。あと、ハンドルに対して滑り止めの役目も果たしてくれるので、特にアクセル操作において素手よりもラクですよ。
サイズが大きすぎるとバイクの操作に支障をきたして逆に危険ですし、小さすぎると手が痛くなってしまったりもするので、これもしっかり試着して選ぶことが大切です。
リンクのfuryganの冬用グローブは最近(2023年)2りんかんで買ったのですが、試着した時点でかなり驚きました!他のグローブよりも明らかに暖かくて、店内では暑く感じるほど。外は革製でしっかりとした強度と防風性能があり、内側は手触りが良く暖かい素材で抜群に良いです、おすすめ。スマホ操作もスムーズです。
膝プロテクター
【必要性★★★★(安全のために必要)】
「長袖長ズボン!」と教習所ではよく言われますが、バイク用ではない普通のジーンズではハッキリ言ってアスファルトに対して全くの無力です。膝プロテクターを着け忘れたばっかりに、右膝を数針縫う怪我を負いました。
バイクを降りれば外して行動できる、巻きつけるタイプでもよし、ジーンズ等に直接プロテクターを入れられるタイプでもよし、膝をしっかり守ってあげてください。自分は後者の、ジーンズにプロテクターが入っているタイプが好みです。やはり着け忘れる心配がないのと、取り外しが面倒と感じてしまうので。
膝プロテクターが入っているズボンは、夏は暑いし、動きにくいしで最近はもっぱら巻きつけるタイプを使っています。
【必要性★★★(あると便利)】
ドライブレコーダー
【必要性★★★(あると便利)】
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2024年現在は、トラブルに備えて念のためにつけておいた方が良いというのは、バイクに限らず車でも常識になりつつあると思います。安い中華製カメラをハンドル部分につけていたこともありますが、やはりバイク用の前後2台セットの方がバイクの外観を損なわず、振動などにも強いのでおすすめです。ちなみに、旅の記録には使いにくいです。バイクの向いている方向しか撮れないし、スマホ連携も結構面倒……ドラレコはドラレコと割り切って、思い出の撮影にはヘルメット取り付け型のカメラを使うのが良いと思います。
パニアケース
【必要性★★★(あるとかなり便利)】
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バイクの種類によってはかなり外観を損ねることになるので好みの問題になるのですが、あまりに便利すぎて、少なくとも私はもうこれ無しでは乗れません!シートバッグやタンクバッグなど、バイクの積載量向上のため色々試しましたが、要領が大きく、取り外しの手間が無く、鍵がかかる便利さ……パニアケースの利点を挙げればキリがないほどです。(シートバッグを使っていた頃は、ファスナーを閉め忘れたまま高速を走って、中に入っていた公演のチケットを紛失したという悲しい過去もあります……)また、ツーリング中だけでなく自宅に停めておく際にも大活躍します。鍵がかけられるので、ヘルメットやグローブなど、バイクに乗る時必ずいるものを入れっぱなしにしておけるのが相当便利です。(一軒家住まいでガレージがあるなら関係ありませんが……大抵は共用の駐輪場に停めることになると思うので)
ETC
【必要性★★★(あると便利、高速道路を走るなら必須レベル)】
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高速道路を走らないなら不要ですが、走るなら絶対必要と言ってもいいくらい重要です。料金所を通るたびにグローブを外して小銭入れを出して……めちゃくちゃ面倒くさいです。1回でも高速に乗ったら元が取れるくらい、便利ですし必須です。
スマホホルダー
【必要性★★★(あると便利)】
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USB電源スマホをナビにするためには必須ですね。最初はプラスチック製の安いホルダーを使っていましたが、いつ劣化して破損するかわかりませんし、それが走行中なら……よっぽどのことが無い限り、多少値は張っても金属製で丈夫なホルダーを付けるべきです。
レインコート
【必要性★★★(できれば常備したい)】
雨の日はバイクに乗らない!と決めていても、山は天気が変わりやすく、長距離を移動するなら天気も変わる……標高が高い場所など、急に寒くなった時には防風・防寒着にもなるので、常に載せておくのが良いです。注意したいのが、ここまで基本的に「多少高くても良いものを」勧めてきましたが、レインコートは高ければ良いと言い切れない事情があります。高いレインコートはしっかりした素材で水を通さない性能がありますが、その分重くてかさばる傾向にあります。前述のとおり常に載せておきたいので、なるべく軽くて小さく折りたためるものを選べば良かったと今も後悔しています……
インナーキャップ
【必要性★★★(あると便利、汗っかきにはかなりおすすめ)】
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主に夏に、汗でヘルメットの内装がベタベタになるのを防げるアイテムです。私は非常に暑がり・汗っかきなのですが、これを内側に被っておけばかなり快適になります。ヘルメットとの摩擦で頭が痛くなったりするので、縫い目無しのものがおすすめです。また頭部だけを覆う水泳キャップのような形状より、耳や首辺りまで覆ってくれる形状の方が良いです。
電熱ウェア
【必要性★★★(あると便利、寒いならかなりおすすめ)】
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冬もバイクに乗るのなら。最近はモバイルバッテリーを利用した電熱ウェアも沢山ありますので、強いてバイク用を買わなくても良いと言えば良いのですが。パワフルさとバッテリー容量を気にしないで使える便利さはバイク用に分がありますが、モバイル型はバイクを降りても暖かいので一長一短ですね。注意点として、電熱ウェアが必要なくらい寒いときは、電熱ウェア(ジャケット)だけでは寒さはしのげません。手先・脚・足先などが耐えがたいほど冷えますので注意しましょう。
グリップヒーター
【必要性★★★(あると便利、寒いならおすすめ)】
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…というわけで、バイクに乗っていて一番風を受ける手の保温は、冬のバイクでは必須です。ボタン一つでグリップが温まるグリップヒーターは真冬だけでなく、春や秋に「山に入って急に寒くなった」というときにも対応できて便利です。ハンドルカバーは……見た目がダサいので使いません……
ネックウォーマー
【必要性★★★(寒いなら必須レベル)】
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どんなに暖かい恰好をしても、冷たい走行風が首元から入ってきてしまうと全く意味がありません。ジャケットの形状にもよりますが、基本的にはどうしてもジャケットとヘルメットの間に隙間ができてしまうと思うので、ここに防風性脳に優れたバイク用のネックウォーマーを挟むのは、これも真冬のバイクでは必須ですね。
耳栓
【必要性★★★(あると便利)】
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風の音を!エンジン音を聴くのがバイクの醍醐味!という方には不要でしょうが、個人的にはかなりおすすめです。高速で走っているとインカムでの会話や音楽が聞き取りにくいのですが、バイク用の耳栓は風切り音をピンポイントで遮断してくれるのでかなり快適になります。また、長時間大きな音(風切り音)を聴き続けると想像以上に疲れますので、疲労軽減にも役立ちます。
ゴム紐、ネット(荷物固定用)
【必要性★★★(あると便利)】
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出先で大きなものを買って、バイクに積みきれなくなった時なんかに便利です。ネットの方が安心感がありますが、慣れてくるとゴム紐2本が繋がっているシンプルな商品でもしっかりと固定できるので、かさばらない分こちらの方が便利に使えます。(あと、ネットは一度外すと再度の取り付けが面倒…)私は常にゴム紐をパニアケースに入れていて、最初から荷物が多い時にはネットを持って行くようにしています。
【必要性★★(便利だけど、人によっては不要)】
インカム
【必要性★★(便利、人によっては不要)】
ナビの画面を見るとそれだけで事故のリスクが高まるので、音声案内をメインとして運転に集中できるようになるインカムは有用ですね。音楽やラジオを聴くのにも使っています。この用途だけならマイク機能はいらないのでイヤホンのような製品でも良いのですが、人とツーリングしたり2人乗りしたりする機会がありそうなら、インカムを買っておいた方が良いと思います。安いものならそんなに高くないですし。
サイドバッグ
【必要性★★(便利、人によっては不要)】
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バイクでキャンプに行くときなど、荷物が非常に多くなる場合に、後部座席に取り付けるタイプのサイドバッグが有用でした。逆に言えば、キャンプなんかをしないなら多分いらないですね。
バイクカバー
【必要性★★(便利、人によっては不要)】
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雨を防ぐ効果はもちろんですが、むしろいたずら・盗難防止のためにあった方が良いですね。屋根・鍵付きのガレージがあるなら不要です。
【必要性★(不要だった)】
シートクッション
【必要性★(人によっては有用)】
長時間バイクに乗っていると尻が痛くなるので買いましたが、見た目がダサくなるので長距離のツーリングの時だけ取り付けるようにし、それも面倒になって最近は全然使わなくなりました……効果は確実にありましたので、長距離ツーリングが多い方で痛みにお悩みであれば、買う価値はあると思います。
タンクバッグ
【必要性★(不要)】
磁石やアタッチメントでタンクに固定するタイプのバッグ。昔はここに財布を入れておいて高速料金やガソリン代を出したり、紙の地図を挟んで運転中も見れるようにしていたのでしょうが、ETCとナビが普及した今ではタンク部分に容量の小さいバッグがある意味があまり無く、また大きい容量のものも試しましたが視界が遮られてメーターが見にくかったりとデメリットが多く、使わなくなりました。ちょっと時代遅れの製品という感じがしますね。
ライディングパンツ・ブーツ
【必要性★(不要)】
前述しましたが、いかついバイク用パンツ・ブーツは普段使いには不向きでした。サーキット走行をするにしても、ほとんどの場合はツナギの着用が必須なので、サーキットのルールをよく確認してから買いましょう。
電熱インナーグローブ
【必要性★(不要)】
着脱が面倒なのと、インナーグローブを付けると操作がしにくくなるため、使わなくなりました。個人的にはグリップヒーターで十分です。電熱のグローブを買うにしても、インナーではなくそのままグローブとして使えるものを選んだ方が良いと思います。
チェーン・U字ロック
【必要性★(状況による)】
盗難防止用品なのでいらないと言い切ってしまうのは良くないと思いますが……結局面倒で付けるのをやめてしまいました。つけた方が盗まれにくくなるのであった方が良いのは間違いないですが、外からバイクが見えにくく道も狭くて盗難用のトラックなんかも通りにくい、という立地なので私の場合は不要と判断しました。
トゥウォーマー(防風靴下)
【必要性★(不要)】
足先の冷えを軽減させる効果があります。が、当然靴の中が窮屈になり歩きにくくなります。きちんと防風機能がある冬用の靴を履いて、それでも足先の冷えが耐えがたいほど寒いならそもそもバイクに乗らないので使わなくなりました……
防水ブーツカバー
【必要性★(不要)】
靴用のレインコートのようなものですが、付け外しが面倒です。防水機能がついたバイク用シューズ・ブーツを履いた方が良いです。